鳥学会大会2024年で自由集会を開催することとなりました。

2024年9月14日(土) 18時30分〜20時30分
東京大学 農学部キャンパス 多目的室3(7号館A 1F 講義室3)

※会場変更のお知らせ:多目的室4(7号館 A 1F 講義室104)に変更になりました。(2回目の変更 2024/9/12)

アルバトロス類の将来にわたる保全に向けて -現状と課題-


山本裕・鈴木康子・油田照秋・長谷川博
(世界アルバトロスデー&シーバードウィーク実行委員会)


 現在、世界には362種の海鳥類が生息するが、そのうち絶滅のおそれのある種は113種(31%、CR 19種、EN 36種、VU 58種)にも及ぶ。海鳥類は鳥類のうちでもっとも絶滅の危機に瀕しているグループの一つで、中でも大型で卓越した飛翔力をもつアルバトロス類では、全22種のうち15種(68%)が絶滅危惧種となっており、準絶滅危惧種(NT 6種)を含めると95%にも達する。

 同じく絶滅のおそれが高いペンギン類では「世界ペンギンデー」が4月25日に定められ、普及啓発がされているが、アルバトロス類では、ACAP(The Agreement on the Conservation of Albatrosses and Petrels:ミズナギドリ目鳥類の保全に関する国際協定)が、2019年5月の会議で、国際協定が調印された日に因んで、6月19日を「世界アルバトロスデー」と定め、世界のミズナギドリ目鳥類が直面している現状と保全活動の緊急性を呼びかける活動を開始している。国内では2019年7月に長谷川博・東邦大学名誉教授の呼びかけによってNPO・NGOなど6団体が集まり、2020年以降、アルバトロス類を含めた日本の絶滅危惧海鳥類の保全について普及啓発する活動を進めている。

 本自由集会では、特にアルバトロス類をテーマに、保全活動の現状と課題について、演者から情報提供を行い、現状を共有し、課題の解決について議論する。

  1. はじめに(5分)
  2. 鳥島個体群の回復とエコツアーの可能性(長谷川博・東邦大学名誉教授/NPO法人OWS会長)(20分)
  3. アルバトロス類に漁業混獲が起きる理由とその対策(鈴木康子・バードライフ・インターナショナル) (20分)
  4. アルバトロス類を取り巻く現状と課題(山本裕・(公財)日本野鳥の会) (20分)
  5. アルバトロス類保全の最前線 -移住事業の進捗とモニタリングの必要性(油田照秋・(公財)山階鳥類研究所)(20分)
  6. 質疑応答および討論(35分)

鳥学会大会2024年 要旨集


本自由集会の要旨(大会要旨集 p.169)