特別講演

開催日時 2021年6月19日(土) 10:50〜10:20
講演時間 30分

クロアシアホウドリ 聟島鳥島
撮影者:鈴木 創(小笠原自然文化研究所)


 小笠原諸島は、東京から1000km以上南の太平洋上にある海洋島群です。

 小笠原諸島の在来生物は、海空を越えて到達した生物から進化した固有生物が多く、独自の小笠原にしかない生態系がつくられています。

 在来の生物相はユニークで、島にたどり着くことができなかったヘビやカエル、ドングリの実をつけるブナ科植物、地上徘徊性の捕食性哺乳類はもともといませんでした。逆に、草でたどり着いて木に進化したもの、殻をなくしたカタツムリ、山に登った海岸植物などがいます。

 そして、小笠原は、アホウドリ科3種、ミズナギドリ科5種、ウミツバメ科2種、カツオドリ科3種、ネッタイチョウ科1種、アジサシ亜科3種が繁殖する「海鳥の楽園」でもあります。

 乱獲の歴史を越えて、人の取り組みで繁殖地が復活しつつあるオキノタユウ(アホウドリ)、ごく最近になって発見されたオガサワラヒメミズナギドリ、洋上の山岳島(南硫黄島)の頂きでのみ繁殖するクロウミツバメなどがいます。

 講演では、多彩な小笠原の海鳥たちと、海鳥と隣あわせの島の暮らしもご紹介します。

※この講演は小笠原からのリモート出演となります


演者プロフィール


鈴木 創(すずき・はじめ)

NPO法人小笠原自然文化研究所副理事長

NPO法人小笠原自然文化研究所副理事長。1965年横浜市出身。
赴任先の小笠原で現地退職し、2000年に堀越和夫、稲葉慎らと同研究所設立。オガサワラオオコウモリ、アカガシラカラスバト、アホウドリ類・ミズナギドリ類など稀少海鳥の保全研究と実践を行なう。南硫黄島学術調査隊2017総隊長。季刊誌『i-Bo』変酋長。