ヒメウ
種名
和名 | ヒメウ |
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学名 | Phalacrocorax pelagicus |
英名 | Pelagic Cormorant |
絶滅危険度
日本(環境省):絶滅危惧IB類(EN) |
法的保護
特になし。繁殖地である天売島は天然記念物、特別鳥獣保護区となっている。
繁殖分布と個体数の現状と動向1)2)
カリフォルニア、カナダ太平洋沿岸、アラスカ州、カムチャツカ半島他ロシア極東部沿岸、サハリンから北海道かけ繁殖する。北日本で繁殖するが最近の確実な記録があるのは天売島だけである。冬には本州沿岸部や北朝鮮、韓国沿岸に渡る。天売島における繁殖数は1980年〜1990年代は10〜20巣だったが、2000年代には20〜50巣、2010年代には30〜100巣と増加している。ここ30年の増加率(logr)のメジアンと95%信頼区間(カッコ内)は0.06(0.01-0.10)
生態3)
翼長はオス261—278mmメス251-269mm、 嘴峰長はオス43-56mmメス44-50mm、体重はオス1888-2097gメス1214-1631g−2440gとオスの方が大きい。集団繁殖し、垂直の崖の個々の小さな岩棚に、各ペアが海藻などを巣材とした巣を作る。天売島では繁殖時期はウミウよりやや遅く、5月頃に産卵し、7月終わりころ巣立つ。アラスカの繁殖地では44.6gの卵を3〜4卵産み、31日でふかし、45−50日で巣立つ。沿岸で、群れを作らない魚類を主に食べる。カリフォルニアでは主にメバル属の魚を食べる。
個体数減少の要因
天売島においてはデータがある年代範囲では減少していない。
保護活動の歴史
特になし
個体数に影響を及ぼす恐れのある要因
餌条件や混獲などが考えられる。オジロワシが襲う可能性がある。
主な保護課題
オジロワシによる撹乱の可能性について見守る必要があるだろう。
執筆者
綿貫 豊(北海道大学水産科学院)
参考文献・資料
- 1) 海鳥コロニーデータベース 環境庁生物多様性センター https://www.sizenken.biodic.go.jp/seabirds/ 2021.5.20
- 2) Senzaki M, Terui A, Tomita N, Sato F, Fukuda Y, Kataoka Y, Watanuki Y (2019) Long-term declines in common breeding seabirds in Japan. Bird Conservation International doi:10.1017/S0959270919000352
- 3) Nelson JB Pelicans, Cormorants, and their relatives: Pelecaniformes. Oxford University Press.