『海鳥の識別ガイドブックをつくる』
箕輪 義隆(科学イラストレーター)
開催日時 | 2024年6月16日(日)14:30〜15:00 |
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講演時間 | 30分 |
多くの海鳥は白黒の地味な色合いをして特徴に乏しく、識別が難しいグループだ。
船上からの観察は揺れに耐え、いつ来るか分からないチャンスに集中しなければならないが、全神経を集中して識別するのは最高に楽しい。
そんな海鳥の識別ガイド制作に、これまで3回携わる機会を得た。
最初は1997年のこと、文一総合出版から「海鳥識別ハンドブック」を出版した。本書は後に絶版となるが、イラストや文章を全面的に作り直した「新 海鳥ハンドブック」を2020年に出版した。
残る1冊は2003年発行の「油汚染海鳥影響調査識別マニュアル」で、重油等の流出によって漂着した海鳥の死体を同定するための報告書である。
海鳥のモニタリング調査を行う、ある種の保全活動を行う、事故の被害状況を調べるなど、いずれの場合も対象種を識別することが第一歩となる。
野外観察は天候や条件が悪いこともしばしば、漂着死体は状態が悪いことも多いので、今後も情報をアップデートした新たな図鑑が登場し、識別の精度が一層向上することを期待したい。
プロフィール
箕輪 義隆(みのわ・よしたか)
科学イラストレーター
生物、特に鳥類のイラストを描いており、書籍や雑誌の挿絵、博物館の展示、水族館の生物解説板などに提供しています。
海鳥が好きで、1997年に海鳥識別ハンドブック、2020年に新 海鳥ハンドブックを出版した。今年3月に新刊「かるがもひなちゃんおんなじおんなじ」を上梓、他に「鳥のフィールドサイン観察ガイド」、「つばめのハティハティ」、「すずめのまる」、「かるがものクッカ」など。