『海鳥と漁業混獲問題―国際的な取り組みと課題』
越智 大介(国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所)
開催日時 | 2024年6月16日(日)11:00〜11:30 |
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講演時間 | 30分 |
海鳥と人間は歴史的に色々な側面で深い関わりを持ってきました。しかし、近年では漁業活動による負の影響が大きくクローズアップされています。
代表的な例として漁業による海鳥混獲(誤って狙いでない生き物を捕獲してしまうこと)があり、海鳥の人為的な死亡要因として最も大きなものの一つだと考えられています。長寿で産卵数の少ないミズナギドリ目の鳥類はまぐろはえ縄での混獲死亡による個体群保全へのリスクが高く特に懸念されています。過去にはえ縄混獲による絶滅危惧海鳥種の個体群の顕著な減少が報告されて以来、世界各地で混獲削減の取り組みが続けられてきました。
本発表ではなぜ混獲が発生してしまうのか、また混獲を減らす手法の開発や管理への取り組みを紹介し、漁業と海鳥保全の両立に向けた現状と将来の課題についてお話したいと思います。
プロフィール
越智 大介(おち・だいすけ)
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所
北海道砂川市出身(1980年生まれ)。 北海道大学 水産科学院 博士課程 博士課程(海洋生物資源科学専攻)卒業。水産博士。
国立研究開発法人水産研究・教育機構水産資源研究所まぐろ第3グループ長です。
漁業と海鳥の関わりについての研究を行っており、世界各地で行われているまぐろ漁業で発生する絶滅危惧の海鳥の混獲を防ぐための対策が専門です。
●日本鳥学会 英文誌"Ornithological Science" 副編集長 ●日本海鳥グループ幹事