『デコイを絶滅危惧海鳥アホウドリの保護に役立てる』
内山 春雄(日本バードカービング協会会長)
開催日時 | 2025年6月15日(日) 11:30〜12:00 |
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講演時間 | 30分 |

アホウドリのデコイを製作中
(1990年10月10日、長谷川博撮影)木象嵌師であつたが、1980年から日本鳥類保護連盟のもとでバードカービングを始めた。1984年にアメリカのウォード財団(The Word Foundation)主催のバードカービング・サマーセミナーに参加して、本場の製作技術を習得した。その後、毎年、アメリカに行き、多種多様なデコイを展示した博物館をいくつも見学して、もともと狩猟に使われていたデコイが集団生活する仲間に対して強い誘引効果を持つことを知った。絶滅したリョコウバトのデコイも展示され、また、デコイの材料も木だけでなく、大型のハクチョウ類などの場合、幌馬車に使う布が胴体に使われていた。1990年、偶然に「アホウドリのデコイを用いる夢の保護活動」があることを知り、その「100%成功」を直感した。山階鳥類研究所でアホウドリのデコイを製作するために図面を描いているとき長谷川博さんに会い、いくつかのタイプのデコイを組み合わせて配置してアホウドリの擬似コロニーを作りたい、また、この唯一無二のチャンスをものにしようと言われた。そこで、デコイを頭部、胴体、足の部分に分けて精密に彫り、持ち運びやすくて組み立てたときに自然な姿勢になるよう工夫した。
演者プロフィール

内山 春雄(うちやま・はるお)
日本バードカービング協会会長
日本バードカービング協会会長。1950年岐阜市生まれ。1980年日本鳥類保護連盟のもとでバードカービングを始め、1990年にアホウドリのデコイを製作。1999年ウォード財団主催のバードカービングコンクールの審査員を務める。2006年山階鳥類研究所より感謝状を受け、同年「現代の名工」認定。2007年野生生物保護功労者表彰・環境大臣賞を受賞。2011年ミッドウェー国立野生生物保護区管理官より感謝状、2024年アメリカ上院議員から感謝状を受ける。