イベント2022

オンライン講演会

開催日時 2022年6月19日(日) 13:20〜13:45
講演時間 25分

ワタリアホウドリ家族 ©Stephanie Prince

 海鳥個体数減少の原因ワースト3の1つである、漁業による混獲問題。漁業者は意図的に海鳥を漁具にかけているわけではありませんが、毎年数多くの海鳥が命を落としているため、世界的に深刻な環境問題として認識されています。様々な海鳥が混獲という脅威に晒されているなか、アルバトロス(アホウドリ)類は混獲に影響を受けている種類の割合が特に大きいため、講演ではアルバトロスのお話しを中心にします。

 5分に1羽が混獲の犠牲になっているアルバトロス。なぜそんなに混獲されてしまう数が多いのでしょうか?この問題に大きく関係している生態学的特徴についてご紹介します。既に確立された効果的な対策の実施義務があるにもかかわらず、規則遵守の不徹底のためにアルバトロスが犠牲になり続けている混獲。その解決に向けた国際漁業管理機関の動向などについてもお話しします。

 混獲問題についての理解を深めていただき、消費者として何ができるかを考えていただくきっかけになればと思います。


演者プロフィール


鈴木 康子(すずき・やすこ)

バードライフ・インターナショナル

バードライフ・インターナショナル、海洋・海鳥保全プログラム
野生動物医学・生態学を学ぶために渡米。特に鳥類に魅せられ、海鳥の研究を始める。アメリカ西部のアジサシ類・ウ類の保全と、水産資源回復の間の軋轢に関する研究には14年間従事。2018年に帰国し現職に就く。海鳥と漁業の共存を目指すため、グローバルチームの一員として、日本の漁業関係者、サプライチェーン、行政などへの働きかけを行っている。野生生物学博士


講演要旨一覧