イベント2022

オンライン講演会

開催日時 2022年6月19日(日) 16:00〜16:25
講演時間 25分

 2001年に東京都大田区にある森ヶ崎水再生センターの屋上で絶滅危惧種であるコアジサシの営巣が発見されて以来、NPO法人リトルターン・プロジェクト(LTP)は当地において保全活動をおこなってきている。本来、河原や砂浜などの裸地で繁殖をするコアジサシだが、近年の土地利用の変化や埋め立てにより好適な生息地を追い出され、ついに屋上にまで追い詰められてしまったと考えられる。

 LTPでは大田区や東京都下水道局と共同することで、営巣地の草原化を防ぐ除草作業や、シェルターや鳥除けの設置といった捕食者対策などの保護対策を実施してきた。また、数多くのボランティアによって営巣地を管理する整備作業や繁殖期に週に一度実施する営巣調査などが支えられている。

 昨年度に20周年を迎えた活動のなかで10,000羽を超えるヒナが人工屋上営巣地で孵化していることが明らかとなっている。保全活動の他にも当地では調査研究活動や環境教育などがおこなわれており、その成果と課題について紹介する。



演者プロフィール


北村 亘(きたむら・わたる)

NPO法人リトルターン・プロジェクト代表

1979年、千葉生まれ。専門は行動生態学・保全生物学・鳥類学。国際基督教大学教養学部を卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科において、ツバメの行動生態学を研究し、博士(農学)を取得。現在は東京都市大学環境学部にて准教授をつとめる。その他にも研究活動の傍ら、NPO法人リトルターン・プロジェクトの代表として絶滅危惧種コアジサシの保護活動を行っている。


講演要旨一覧