講演会2026

対面&オンライン

開催日時 2026年6月21日(日)10:00〜10:30
講演時間 30分

 羽毛を採るために乱獲され、地球上から姿を消したと信じられたオキノタユウは、1951年に伊豆諸島鳥島で約10羽が「再発見」された。1976年、ぼくは途絶えていた鳥島集団の監視調査と集団生物学研究を再開し、2018年まで継続した。その間に、急傾斜地にある従来営巣地で繁殖成功率の改善に取り組み、多くの人と協力して、広く安定した斜面に若齢個体を誘導して新営巣地を形成する計画を推進した。

 それらの保護計画が実を結び、繁殖成功率が改善し(44%から68%へ)、それにともなって繁殖集団の成長率が上昇した(年率6.5%から9.1%に)。そして、再発見から75年後の2026年に、鳥島集団の総個体数はついに10,000羽に到達した。オキノタユウは日本の海に戻ってきた。


オキノタユウ(アホウドリ)つがい

オキノタユウつがい


プロフィール


長谷川 博(はせがわ・ひろし)

東邦大名誉教授・NPO法人OWS会長

「世界アルバトロスデー&シーバードウィーク実行委員会」会長。京都大学大学院で動物生態学を専攻。再発見から25年後に、伊豆諸島鳥島で繁殖する特別危惧種(当時は国際保護鳥と呼ばれていた)オキノタユウの保護研究に取り組み、翌年から東邦大学理学部で、この種の再生を目指して現地調査・研究を継続した。都民文化栄誉章(1996)、吉川英治文化賞(1998)、太平洋海鳥グループ特別功労賞(2001)などを受賞。



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