講演会2023

対面&オンライン

開催日時 2023年6月18日(日)12:45〜13:15
講演時間 30分

カンムリウミスズメの繁殖地に打ち寄せられたプラスチックごみ

 今、私たちの身の回りで数多く使われているプラスチックの一部が自然界に流出し、海鳥をはじめ多くの海洋生物に影響を及ぼしています。(公財)日本野鳥の会では、近年大きく減少している海鳥へのプラスチックの影響を減らすために、この問題に取り組み、普及啓発、海鳥への影響調査、政策提言の活動を進めています。

 普及啓発では、海洋プラスチック問題の正確な情報を多くの方に知っていただき、この問題への理解を深め、プラスチックの使用削減や個人の生活の中で出来ることを伝えるウェビナーを2021年以降、年6回開催しています。ごみを出さない暮らしを心がける意識の普及に加えて、教材の開発と提供を行っています。海鳥への影響調査では、伊豆諸島で繁殖するカンムリウミスズメやオーストンウミツバメ等の海鳥への有害化学物質の蓄積の有無、利用海域の把握を研究機関と共同で進めています。政策面では、減プラスチックを進めるNGO団体とともに、プラスチックの削減やリユースの推進、課題の解決に取り組んでいます。

 当講演では、こうした活動について紹介します。


演者プロフィール


山本 裕(やまもと・ゆたか)

(公財)日本野鳥の会 自然保護室チーフ

1991年に日本野鳥の会に入局。広島や三宅島のサンクチュアリでレンジャーとして勤務後、2008年より自然保護室に所属。モニタリングサイト1000や日本のマリーンIBA選定を担当後、現在は、主に海洋プラスチックごみ対策や野外鳥類学論文集『Strix』の編集を担当している。



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